投稿日:2022年8月2日

ビーフン市場(輸入量)が伸長 その理由はベトナム人?

~在留ベトナム人は在留外国人数第2位の約43.2万人 ベトナム人労働者数は約45万人で現在トップ
アジア圏の食材の需要が急減に拡大!フォーを中心としたお米のめんや米粉に注目が集まる~

通関統計によると、ビーフンに代表されるコメを主原料にしためんの輸入量は2017年から2021年までの過去5年で110%に拡大し、うちフォーが主体のベトナムからの輸入量は165%に拡大しています。

ビーフンおよびフォー市場(輸入量)が伸長した理由は、実はベトナム人が鍵を握っています。現在外国人労働者数全体の26.2%はベトナム人の約45万人で、この割合は中国人を抜きトップです。在留ベトナム人数は過去10年で10倍以上に増加し、アジア圏の食材の需要が急激に拡大。さらに、コロナ禍による自粛生活で家庭の味がマンネリ化し、エスニック料理への注目度が高まったこと、小麦を中心とした各食材の原料高騰にともない、お米のめんや米粉に注目が集まっていることも要因であると判明しました。

ビーフンをはじめとするお米のめんを製造・販売しているケンミン食品株式会社(兵庫県神戸市・代表取締役社長:高村祐輝)は、このような状況下により今後さらにお米のめんが普及していくことで、フォーやビーフンを食べる機会も増え、日本の食生活がより豊かになっていくのではないかと考えています。
8月18日は「ビーフンの日」 。幅広いお客様に同記念日を知っていただくとともに、ぜひこの機会にお米のめんを食べていただければと思います。

ビーフン市場(輸入量)伸長の背景 

在留ベトナム人は10年で10倍以上に増加
外国労働者数全体のうちベトナム人の割合は26%を占め現在トップに

法務省の出入国在留管理庁が発表した2021年末時点における在留外国人数に関する統計によると、日本における在留外国人数は276万635人。このうち、在留ベトナム人は約43.2万人います。2020年の統計では、上位10か国・地域のうち、ベトナムのみが増加(対前年末比3万6,085人<8.8%>増)しており、中国に次いで第2位になりました。2011年は4万人程度だったのが、10倍以上に増えています。
増加が始まった要因として、2009年10月1日に締約された「日本・ベトナム経済連携協定(EPA)」と、技能実習制度の開始があげられます。
EPAは締約後、2011年10月の日越首脳会談において看護師・介護士の受入に係る覚書に署名が行われ、2012年6月17日に発効。人口の増加が著しいベトナムの失業対策として、2014年から看護師や介護福祉士などの日本への受入が本格的に始まりました。
技能実習生については、ベトナムは2016年12月末時点で最大の送出国(88,213人)となりました。2017年には二国間で技能実習に関する協力覚書(MOCがかわされたことで、日本在留技能実習生のうち、ベトナム人が全体の半数以上を占めるようになりました。

(※図1:在留ベトナム人の推移)

厚生労働省が発表した「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)をみてみると、外国人労働者数は約173万人。国籍別では、ベトナムが最も多く453,344 人 (外国人労働者数全体の26.2%)、次いで中国 の397,084 人 (同23.0%)となっています。

(※図2:外国人労働者数)

国籍・地域別 在留外国人数の推移

これに比例するように、財務省が作成した通関統計では、フォーが主体のベトナムからの輸入数量は、2019年は約2,305トンだったのに対し、2020年には約3,027トンと大幅に増加。ビーフンやフォーなど米粉の麺類の全体の輸入量をみてみても、同期間で7,568トンから8,464トンとなり、2020年には過去最高になったとの調査を横浜税関がまとめています。

(※図3ビーフン等輸入通関統計の推移)

ビーフン等輸入通関統計の推移

日本国内の在留外国人や外国人労働者を中心に、アジア圏の食材・調味料の需要が急激に拡大。輸入食材・調味料などを扱う食品専門店が相次いでオープンしています。例えば、日本最大級の品揃えを誇るアジア食品専門店『亜州太陽市場(あしゅうたいよういちば)』は今年3号店を東京都杉並区に開くなど、外国の食文化などが好きだが、コロナ禍で海外に気軽に行けないという日本人にも人気で、市場は拡大しています。
特にフォーは、ベトナム人にとって、国民食であり、一日一食は必ず食べるというほど、無くてはならない必須の食べ物。ベトナム人がビーフン、フォーの市場を押し上げ、輸入量伸長の一因となっていることは明白です。

<参考>国籍・地域別 在留外国人数の推移

国籍・地域別 在留外国人数の推移

エスニック料理店の増加とブーム

日本に住んでいるベトナム人のうち、在留資格を見てみると、外国料理の料理人などの「技能」は2018年は537人であったのに対し、2021年12月末現在で647人で増加傾向にあります。日本でベトナム料理店を出店するベトナム人が多くいることが、ビーフン・フォー市場伸長の理由の一つとして考えられます。
また、ここ数年、エスニック料理店での提供にとどまらず、ハノイの人気フォー専門店が東京にできたり、多くのインスタント麺でのフォー商品が販売されたりと、国内でフォーをはじめとしたベトナム料理の知名度を上げています。

日本国内においてエスニック文化や食の普及活動を行う「一般社団法人 日本エスニック協会」の5月29日の調査結果では、エスニック初心者におすすめする第1位にフォー(ベトナム料理)があげられました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で外国との往来が制限されるなか、家にいながら海外旅行の気分が楽しめる特集がメディアでも増えてきていることに加え、自宅でエスニック料理を再現する動きがでてきています。日本人にとっても馴染みのある料理となり、家庭でも食べられる機会が増えてきていると考えられます。

エスニック料理店の増加とブーム

小麦価格の高騰に伴い、米めんの需要が増加

ロシアのウクライナ侵攻により、両国の輸出量が世界の3割を占める小麦の価格が、急激に高騰し、米の価格との逆転が発生しました。
これにともない、大手外食チェーンによる米めんブランド展開の開始など、比較的価格が安定している米を原料とした米めんに対する需要が増加傾向にあり、注目が集まっています。

小麦価格の高騰に伴い、米めんの需要が増加

参考資料 ベトナムの国民食「フォー」とは

フォーは、生野菜と食べる米めんです。ビーフンと同様に米粉を主原料としています。タイ料理ほど刺激的でなく、また独特なクセもありません。あっさりとした味わいのスープで、エスニック料理のなかでも日本人になじみやすく、食べやすいヘルシーな料理です。きしめんに似た形状の平たいめんで、日本の食生活に浸透しやすいと考えられます。

ベトナムの国民食「フォー」とは

フォーのスープは大きく分けて、牛骨からとった出汁をベースにしたスープと、鶏ガラベースのスープの2種類。牛ベースのスープに麺を入れ、牛肉をトッピングしたものが「フォーボー(牛)」、鶏ベースのスープに麺を入れ鶏肉をトッピングしたものが「フォーガー(鶏)」と呼ばれています。
本場ベトナムのフォーは、さまざまな生野菜やハーブ類などをトッピングして食べられています。

めん類の家系図(原材料別製法別区分)

ケンミン食品が提供する主なフォーの商品概要

● 米粉専家 ベトナム風フォー

人気のアジアンメニューでプチトリップ気分が味わえます。ツルっとした歯触りと、もちもちした食感のお米の平めんが特徴。あっさり鶏ガラスープに魚醤の旨味を効かせ、コリアンダーが優しく香るスープで、屋台の素朴な美味しさが楽しめます。

  • 内容量  68.9g(米めん50g、粉末スープ18.9g)
  • 賞味期限 12ヶ月
  • 販売地域 全国
米粉専家 ベトナム風フォー

● もちもちめんフォー

お米でできた、もちもちした食感の平めんです。アジア料理はもちろん、汁ものからサラダ、炒め物と幅広くご利用頂けます。7大アレルゲン不使用のため、食物アレルギーでお悩みの方にも幅広くご利用いただけます。

  • 内容量  140g
  • 賞味期限 24ヶ月
  • 販売地域 全国
もちもちめんフォー

● フォーくるくるボール

いつものお鍋やスープに入れるだけで、茹で戻し不要で簡単・便利にグルテンフリー料理が楽しめるお鍋用フォー。小さな玉状で必要な分だけスープや熱湯を注ぎ、約3分30秒で出来上がります。

  • 内容量  48g(3個入)
  • 賞味期限 24ヶ月
  • 販売地域 全国
フォーくるくるボール

ケンミン食品とは

1950年神戸創業のビーフンメーカー。1960年発売の『ケンミン焼ビーフン』は『最も長く販売されている焼ビーフンブランド』。国内ビーフン市場の52.8%のシェアで日本一。創業者高村健民に因み、健康(健)を皆さま(民)に提供するという理念を持つ。ビーフンの他にも、フォー、ライスパスタ、ライスペーパーなど米を原料とした加工食品を製造する専門企業である。近年、グルテンフリーがトレンドの欧米にも輸出し親しまれている。2018年地域未来牽引企業、2020年ひょうごオンリーワン企業に認定。明治安田生命J1リーグヴィッセル神戸のユニフォーム・パンツスポンサー。

https://www.kenmin.co.jp/
おかげさまで2022年に創業72周年を迎えました ケンミン食品
 

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