ベトナムフォーのレシピ【基本の作り方】
2024年4月MBS毎日放送「せやねん!」の「かつみさゆりのメチャ売れ!!」でご紹介いただいたレシピです。
米粉専家 ベトナム風フォーの基本のレシピです。あっさりした鶏だしベースのスープにつるっともちもちのフォーがよく合います。
●フォー(Phở)の原料は何ですか?●
原料は米粉でできています。
原料の米粉を水で溶いて薄く広げて蒸し、シート状にしたものを切り刃でめん状にカットした乾麺のことです。(麺帯法)
日本には、干して乾麺にしたものが輸入されますが、ベトナムでは生麺を使います。
※ケンミン食品では、フォーもビーフンの1種なので、原材料の米粉を50%以上使用しています。ツルッとした食感が特徴です。
●フォーとはどんな料理ですか?●
ベトナム北部発祥でベトナムの国民食ともいわれ、地域や具材によって大きく2つに分かれますが、スープにフォーが入った料理が多くあります。
ベトナムでは家庭料理よりも、屋台やレストランなどで食べる習慣があります。
フォーに添える卓上調味料と薬味は、赤唐辛子・レモン・ヌクマム・ホットチリソース・にんにくと赤唐辛子の酢漬けなどがあります。
辛味が少ない、比較的食べやすいエスニックな味付けのフォーは、日本でもレストランやコンビニでも非常に人気が高く、浸透しつつあります。
中国では河粉(ホーファン)・粿条(クエティオウ)、タイではクイッティオと呼ばれ、東南アジアではそれに類似した呼び方をしている国もあります。
タイのパッタイにはクイッティオが使われますが、ベトナムのフォーと同じめんです。
<具材の違い >
フォーボー(Phở bò):牛肉入りのスープフォー。煮込み牛肉のフォーは、スープをとった後のかたまり肉を薄切りにしてのせる定番料理です。よく煮込まれた柔らかい牛肉とほんのりスパイスの効いたクリアなスープが楽しめます。
フォーガー(Phở gà):鶏肉入りのスープフォー。牛肉のフォーに比べてさっぱりしているので、女性に人気です。
<地域の違い >
ベトナム北部ハノイ:ベトナム北部のスープは、鶏・たまねぎ・生姜のみのシンプルな出汁で、南部とは違って生のハーブは添えません。お好みで油条(ヨウティャオ)という中国の揚げパンと一緒に食べるのが特徴的です。
ベトナム南部ホーチミン:スープも甘みと酸味のあるエスニックな味付けが多く、具材の種類も豊富です。ニラやコリアンダーなどの香菜、唐辛子などをトッピングします。
●フォーとビーフン(ブン)の違いはなんですか?●
ビーフンは地域によって呼び方が異なり、ベトナムでは「ブン」(bún)と呼ばれています。
※ビーフンは主原料に米粉を50%以上使⽤し、めん状に加⼯したものの総称です。
フォーとビーフン(ブン)は同じ米から作られており、製造方法や料理のバリエーションに違いがあります。
ビーフン(ブン)は練った生地を小さな穴に高圧をかけて押出してめんにする製法です。(押し出し法)
フォーは牛肉・鶏肉のスープフォー、炒め物など、料理のバリエーションが少ないです。
一方ブンは、汁麺以外にも、和え麺・ライスペーパーに包む具材として使われ、ごはんの代わりにおかずを乗せて食べられます。
フォーは肉たっぷりで専門店で食べるごちそうのようなもので、ブンは家庭でもよく使われる日常的な麺です。専門店で食べるブンもありますが、ほとんどはフォーよりも安価な材料でつくられる庶民的な料理です。
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材料(1人前)
米粉専家ベトナム風フォー:1袋 | |
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鶏むね肉:50g | |
白ねぎ:10㎝分 | |
香菜(パクチーなど):適量 | |
水:450㏄ | |
油:適量 |
■お好みで | |
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もやし:めんと一緒にゆでる | |
ライム:仕上げに絞る | |
フライドオニオン:トッピング |
作り方
●フォーはどこの国?フォーが生まれたのは100年ほど前●
日本でも馴染み深いフォーですが、伝統的なベトナム料理ではなく、比較的新しい料理です。ベトナムでは、フォーよりもブンの方が古くから(15世紀ごろ)食されており、日本でいう、蕎麦やうどんに似たイメージです。
フォーの発祥はベトナム北部といわれていますが、フランス統治時代に誕生したという諸説があります。当時、ベトナム北部ナムディン省のフランス人が営む大きな紡績工場で食べられていたまかない料理として、牛肉や玉ねぎなどの野菜の煮込み麺に合わせたものが原型といわれていおり、ベトナム人受けする新しい料理としてはじまりました。その後、ナムディン省バンクー村にはフォーの製麺所がたくさんつくられ、「フォーの故郷」と呼ばれるようになり、フォーの製麺は村の産業として発展しました。
「フォー(Phở)」の名前の由来は、はフランス家庭料理の「ポトフゥ(Pot au feu)」の「フゥ(feu)=炎(煮込むという意味)」からつけられたそうです。
当時のベトナム北部首都ハノイでは、中華系移民の華人が売る「牛肉粉」(=炒めた牛肉を乗せた汁麺)が流行っていましたが、ナムディン省からやってきた新しい料理「フォー」の方が人気になり、フォーのお店も増え、牛肉を食べる習慣も定着しました。